ERPC、Solana共有エンドポイントを全面アップグレード。全リージョンでpingベース自動ルーティングと攻撃耐性を強化、AMS・FRAにはノード増強も実施

ERPC、Solana共有エンドポイントを全面アップグレード。全リージョンでpingベース自動ルーティングと攻撃耐性を強化、AMS・FRAにはノード増強も実施

2025.10.07
ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO は、Solana 共有エンドポイントの全面アップグレードを実施しました。今回のアップデートでは、全リージョンで ping ベースの自動ルーティングと攻撃耐性の強化を行い、より低レイテンシかつ安定したネットワーク環境を実現しています。さらに AMS および FRA リージョンでは共有ノードの増強も実施し、全体の負荷分散と通信安定性を一層高めました。

背景

これまで ERPC では、IP アドレスの位置情報をもとに近いリージョンを推定し、自動的に接続先を振り分けていました。
しかし、IP 情報は各地のベンダーによって異なり、誤差や古いデータが含まれることが多く、実際の通信経路を正確に反映できないという問題がありました。
さらに、この方法はあくまで「物理的な距離」を基準にした推定であり、実際のケーブル経路やスイッチ構成といったネットワーク上の要素を考慮していません。言い換えれば、地図上で近く見えても、通信経路としては遠回りになるケースが多く存在していました。
一方で、ping はこれらの要素をすべて含んだ実測値であり、現実のネットワーク距離を最も正確に反映する優れた指標です。
今回のアップデートでは、ホワイトリスト登録された IP に対して各リージョンのエンドポイントから自動的に ping 測定を行い、全データをグローバルに集計した上で最短経路を決定する仕組みを新たに構築しました。
このシステムにより、Solana 通信におけるリアルなレイテンシをもとに最適なリージョンを自動選択できるようになり、従来の IP 情報依存型ロジックは完全に廃止されています。

技術アップグレードの詳細

共有 RPC・gRPC・Shredstream の全エンドポイントで ping ベース自動ルーティングを導入し、ユーザーのネットワーク距離に応じた最適なリージョン接続を自動的に選択するようになりました。全体としてリージョンごとの負荷分散が改善され、ネットワーク全体の効率化と安定性の向上が確認されています。
AMS および FRA では共有ノードの増強も実施し、接続集中時でも安定したレスポンスを維持できる構成となりました。特に FRA リージョンでは Epics DAO のバリデータと引き続き連携しており、ステーク適用済みの高品質ノード群によって品質向上が図られています。

攻撃耐性とネットワーク安定化

利用需要の拡大に伴い、全リージョンで nftables の防御ロジックを強化しました。異常な通信量や不正なアクセスパターンを自動検知し、全体に悪影響を及ぼす前に該当のコネクションを切断、健全な利用環境を維持するための措置として接続制御を行います。システムが自動的にアカウントを永久停止することはなく、Validators DAO チームが Discord を通じて直接連絡を行い、状況の確認と改善方法の共有を行います。
これらの運用は、正規ユーザー全体の安定した利用体験を守るために設けられたものであり、今後も透明かつ公平な対応を継続します。

ネットワーク効率化と利用者メリット

ping ベース自動ルーティングにより、ユーザーは実際のネットワーク距離に基づいて最寄りリージョンへ自動接続されます。個人レベルでは最短経路による高速通信を実現し、全体レベルでは遠距離通信の負荷を抑えることで、ネットワーク全体の効率化と低レイテンシ化が同時に達成されました。これにより、世界中の利用者がより安定したレスポンスで Solana ネットワークにアクセスできる環境が整いました。

Solana RPC Bundle プラン

Bundle Plan
多くの開発者はまず Geyser gRPC からSolanaのリアルタイムストリーム活用を始めます。すでにデコードされたデータを扱えるため導入が容易で、実装例も豊富で学習コストが低いからです。
一方で、プロはより高速な Shredstream を使います。現在のアプリを gRPC で安定稼働させつつ、より高速な Shreds の恩恵を並行開発で取り込むという実務的なニーズが強く、Bundle はこの需要を満たします。
これまで「もっと速いコネクションに挑戦したい」のに、環境整備やコストの壁で踏み出しづらい状況が続いていました。
Bundle では本番利用を想定した RPC と gRPC のコネクションを持っていれば、それよりも安い価格で Shredstream がセットになります。むしろ安くなるパック料金設定により、導入の心理的な障壁を取り除きました。
まずは RPC + gRPC でベースアプリを素早く構築し、その同じ環境の中で Shredstream を学びながら高性能化に移行できます。強者は Shredstream 単体で processed と confirmed の両方のデータを直接取り込みますが、そのためには独自にカスタマイズしたクライアントの開発が必要です。Bundle はまず Shredstream を確実に受け取れる経路を用意することで、この高度なステップへの橋渡しをします。
Bundle の gRPC もフィルター制限がなく、プロダクトの開発中は RPC の Devnet と Testnet にも対応します。
Solana 開発のスタートに最適であり、そのまま本番運用へスムーズに移行できる実戦的なプロダクトです。
導入や移行のご相談は Validators DAO 公式 Discord より受け付けています。

Premium Ryzen VPS

Premium Ryzen VPS
ERPC と同一ネットワーク内で稼働する Premium Ryzen VPS は、世界最速クラスの 5.7GHz 高クロック CPU、ECC DDR5 メモリ、NVMe4 ストレージ、25Gbps ×2 のネットワークを備えています。オーバーコミットを一切行わない設計により、仮想化でありながらベアメタル級の安定性能を発揮します。
主要 Solana バリデータや Jito Shredstream と同一データセンターに配置されており、ゼロ距離接続によってインターネット経由の遅延を排除。性能とコスト効率を両立した構成として、多くのプロジェクトから高く評価されています。

ERPC、Validators DAOが解決する課題

  • 一般的なRPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
  • 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
  • ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
  • 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私達は、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。そこで独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に影響します。分散したバリデータや Web3 特有の構造が重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。
私達は必要とされる高性能な開発基盤を提供し、Solana エコシステム全体の開発体験とユーザー体験の向上に貢献していきます。ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。