オープンソースの Solana 運用基盤 SLV、RPC 機能で Devnet / Testnet 対応と Jito Block Engine 自動最適化を実装
オープンソースの Solana 運用基盤 SLV、RPC 機能で Devnet / Testnet 対応と Jito Block Engine 自動最適化を実装

ELSOUL LABO B.V.(本社:オランダ・アムステルダム、代表取締役CEO:川崎文武)と Validators DAO は、Solana バリデータおよび RPC 運用を自動化するオープンソース基盤「SLV」の最新バージョン v0.9.502 を公開しました。今回のアップデートでは、RPC 機能が Solana の Devnet および Testnet に正式対応し、さらに Jito Block Engine の最適リージョンを自動選択する機能を搭載しました。
Solana RPC 運用をより手軽に

RPC セットアップコマンドがアップデートされ、ネットワークを Mainnet・Devnet・Testnet から選択できるようになりました。これにより、開発・検証・本番運用を同一の CLI から一貫して行うことができます。わずか数コマンドで RPC 環境を初期化でき、環境構築の手間を大幅に削減します。
SLV はこれまでも、Solana バリデータ運用の簡略化と品質向上を両立するための自動化機能を継続的に拡張してきました。今回のアップデートはその一環として、RPC の導入から最適化までを完全に自動化し、開発者・運用者の負担をさらに軽減し運用の質を向上させます。
Jito Block Engine の自動リージョン最適化
これまで Jito クライアントを使用する場合、運用者自身が最寄りの Block Engine を調べ、そのリージョン URL を手動で設定する必要がありました。SLV でもこれまではリージョンを選択する手順を提供していましたが、今回のアップデートでこのプロセスを完全自動化しました。
SLV v0.9.502 では、ノードの IP 情報をもとにネットワーク上の各 Jito Block Engine へのレイテンシを自動計測し、最も近いリージョンを即座に選択します。これにより、運用者は設定を意識することなく、常に最適な Block Engine に接続できます。
この自動選択機構は、ノードとブロックエンジンが異なる地域にある場合でも通信効率を最大化し、トランザクション処理の安定性と速度を同時に高めます。これまで手作業で行っていた最適化をワンステップで完了できるようになり、より直感的で効率的な運用を実現します。
SLV が目指す自動化と品質維持
SLV は単なる CLI ツールではなく、Solana バリデータおよび RPC の運用を簡単かつ正確に実行するための総合基盤として開発されています。すでに複数ノード運用やリモート管理に対応しており、個人から企業まで幅広くグローバルに採用されています。
今後は、CLI に加えてローカルコンピュータで動作するセキュアな UI アプリケーションも提供予定です。これにより、バリデータの起動、アップグレード、ステークマーケット参加、ノード監視などの全作業をクリック操作だけで行えるようになります。UI 上で簡単に一元管理できることで、より多くの人が Solana ノード運用を簡単に始められる環境を目指します。
監視強化と品質維持
SLV は今後、アラート機能を強化し、バリデータが運用状態をリアルタイムで把握できるようにします。異常や遅延をいち早く検知することで、障害対応やメンテナンス作業をより迅速かつ確実に行うことが可能になります。
こうした監視機能は、ユーザーからのステークや信頼を守るだけでなく、Solana 財団のステーク補助を継続的に受けるためにも重要です。ノードの安定稼働と高い運用品質を維持することは、長期的な運用に欠かせない要素となります。
この監視機能は RPC を活用しますが、SLV で立ち上げた自前の RPC でも、ERPC をはじめとした他の Solana RPC に URL を差し替えても動作するよう設計されています。開発環境や運用環境を問わず、柔軟に利用できる仕組みを目指しています。
SLV はオープンソースとして高い自由度を持ち、すべての設定をユーザー自身で組み替えることができます。ただし、設定を自由に扱うためには一定の知識が必要となる場合もあります。そのため SLV では、特に利用頻度の高い設定や変更点については、誰でも簡単に扱えるように設計を改善し続けています。
専門的な構成変更にも対応できる柔軟性を保ちながら、日常的な操作は直感的に行えるようにすることを重視しており、将来的には UI 上から設定変更を行えるようになる予定です。
ERPC、Validators DAO が解決する課題
- 一般的なRPC環境で発生しがちなトランザクション失敗やレイテンシ変動
- 多くのインフラプロバイダーによる性能制限
- ネットワーク距離が通信品質に与える影響の大きさ
- 小規模プロジェクトほど高品質インフラへアクセスしづらい状況
私達は、オープンソース開発を支援する Solana NFT カードゲームプロジェクト Epics DAO の開発過程で、高品質かつ高速な Solana 開発環境が容易に手に入らないという課題に直面しました。そこで独自のプラットフォームを構築し、その知見を基盤として ERPC や SLV を提供しています。
金融分野のアプリケーションは特にミッションクリティカルであり、遅延やエラーは直接ユーザー体験に響きます。分散したバリデータや Web3 特有の仕組みが重なり合う Solana 開発では全体像の把握が難しく、多くのプロジェクトが遅延や不安定さに悩まされてきました。
私達は必要とされる高性能な開発基盤を提供し、Solana エコシステム全体の開発体験向上とユーザー体験向上に貢献していきます。ERPC も SLV も、その一環として位置付けています。
- ERPC公式サイト: https://erpc.global/ja
- SLV公式サイト: https://slv.dev/ja
- elSOL公式サイト: https://elsol.app/ja
- Epics DAO公式サイト: https://epics.dev/ja
- Validators DAO公式Discord: https://discord.gg/C7ZQSrCkYR